ブランドの価値を創る「思想 × 戦略 × 表現」の融合

クリエイティブプロデュースや戦略デザインを専門として活動している、ヨコタナオヤと申します。

「コンセプト × 戦略 × デザイン」の視点から、スタートアップや成長企業の皆様の「新規事業開発」「ブランディング」「戦略設計」などをお手伝いする中で、お客様からいただく質問や気づいたことをまとめて、新規事業開発担当の方や経営者の皆様に役立ちそうな情報としてお届けしています。

※本記事 【ブランドの価値を創る「思想 × 戦略 × 表現」の融合】は「クリエイティブディレクション, クリエイティブ戦略, ビジネスデザイン, ブランドアイデンティティ, ブランド戦略, マーケティング戦略, ユーザーエクスペリエンス, 事業コンセプト, 企業ブランディング, 経営戦略」に関する記事となっております。(記事カテゴリ: コンセプト・アイデンティティ設計

ブランドの持続的な成長に必要な要素

現代の市場では、単に良い商品やサービスを提供するだけでなく、ブランド価値を高めることが企業の持続的成長に直結します。ブランド価値とは消費者からの信頼や評価、そして感情的なつながりの総和です。強いブランド価値を持つ企業は、単に優れた製品・サービスを提供するだけでなく、自社の価値観や理念が消費者に共感され、価格競争に左右されにくい長期的な信頼関係を築いています。では、そうしたブランド価値を高め、持続的に成長するために必要な要素とは何でしょうか。

主なポイントは次の通りです:

  • 明確なコンセプト(理念)
    ブランドが何を目指し、どんな価値を提供するかという核となる考え方がはっきりしていることが重要です。コンセプトが明確であれば、一貫したメッセージとして消費者に伝わり、ブランドへの理解と信頼が深まります。
  • 感性に響くメッセージ
    機能や価格だけでなく、ブランドのストーリーや世界観が消費者の感情に訴えかけることも不可欠です。心に残るメッセージは共感を生み、ブランドへの愛着(ロイヤリティ)を育みます。
  • 強い情報発信力
    SNSやWebを通じて、自社のビジョンや価値観を継続的に発信し、消費者との接点を増やすことも大切です。定期的な情報発信によってブランドの存在感が高まり、認知度拡大とファン獲得につながります。
  • 顧客との信頼関係と口コミ
    顧客との良好な関係は、自然な口コミや紹介という形で新たな顧客を呼び込みます。特にSNS時代では、満足した顧客がブランドのアンバサダーとなりポジティブな体験を共有してくれることで、ブランドへの信頼がさらに広がります。

これらの要素は、ブランド戦略を策定する際の土台となります。明確な思想(ビジョン)を持ち、それに基づいた戦略を立て、適切な表現で市場に伝えていくことが、持続的な成長を支える鍵となります。

「思想 × 戦略 × 表現」のフレームワークとは?

ブランド価値を創造する上で重要なのが、「思想 × 戦略 × 表現」のフレームワークです。これは、ブランドの成功を支える3つの軸(理念・計画・発信)を指し、それぞれが掛け算のように相乗効果を生み出すという考え方です。

  • 思想(ブランドの理念・パーパス): 企業やブランドが根底に持つ信念や価値観、存在意義のことです。いわば「何を考えているか」「何のために存在するのか」を示す部分であり、ブランドの軸となる思想が明確で強固であるほど、ブレないブランドの芯が形成されます。
  • 戦略(ブランド戦略): 思想を具体的な価値提供に落とし込み、誰に・何を・どのように伝えるかを計画する部分です。ターゲットの設定、市場でのポジショニング、製品・サービスの特徴付け、コミュニケーション戦略などが含まれます。優れた戦略は、ブランドの理念を適切な形で社会に結び付け、競合と差別化しながらブランドの価値を高めます。
  • 表現(ブランドの表現・デザイン): 戦略に基づいて具体的にアウトプットされるコミュニケーションやデザイン要素です。ロゴ、ビジュアル、コピー、トーン&マナー、プロダクトデザイン、体験設計など、消費者との接点でブランドを体現するすべての表現が該当します。表現はブランドの「顔」とも言え、思想や戦略がユーザーに伝わるかどうかは、この表現の巧拙にかかっています。

この3つの要素は独立したものではなく、互いに密接に関連しています。たとえば、ブランドの思想(理念)が崇高でも、戦略が伴わなければその理念は届きません。また、戦略が優れていても表現が消費者の心に響かなければブランド価値は醸成されません。逆に、明確な思想に裏打ちされた戦略と、それを体現する魅力的な表現がかみ合ったとき、強いブランド体験が生まれます。

「思想 × 戦略 × 表現」という掛け算は、一つでもゼロがあれば成果がゼロになってしまうという意味でもあります。ブランドに魂(思想)を吹き込み、それを戦略で社会と繋ぎ、表現で具現化する——この三位一体のアプローチこそが、競争環境でブランドを輝かせるフレームワークなのです。

目次

ブランドが社会との関係性を築く方法

近年、消費者は単に商品を買うだけでなく、ブランドの姿勢や社会的価値にも注目するようになっています。企業ブランディングにおいては、自社と社会との関係性を築き、ブランドが社会の一員として信頼される存在になることが重要です。そのためのポイントをいくつか紹介します。

  • ブランドパーパス(存在意義)の明確化と共有
    企業が「社会に対して何を為す存在なのか」という目的意識を明確にし、それを社内外に発信することが第一歩です。ブランドの理念が社会的な課題や価値観と結び付いていれば、消費者や従業員、投資家から共感を得やすくなります。例えば、あるメーカーが「環境負荷を減らし持続可能な未来に貢献する」ことをパーパスに掲げれば、その姿勢に共鳴する顧客層との強いつながりを築けるでしょう。
  • 社会貢献活動やCSRの推進
    ブランドの理念を行動で示すために、CSR(企業の社会的責任)活動に取り組むことも効果的です。単なる寄付や奉仕ではなく、自社の事業ドメインに即した社会貢献を行うことで、ブランドらしさを保ちながら社会に良い影響を与えられます。実際に、任天堂は「任天堂に関わるすべての人を笑顔にする」ことを掲げ、動物愛護団体と協力した活動などユニークなCSRを展開しています。こうした取り組みは消費者にブランドへの愛着や尊敬の念を抱かせ、単なる商品価値を超えた共鳴価値(共感によるブランド価値)を高めることにつながります。
  • コミュニティの形成と対話
    ブランドを中心としたコミュニティ作りも、社会との関係構築には欠かせません。ファンイベントやオンラインコミュニティ、SNSでの対話などを通じて、ブランドと生活者が双方向につながる場を設けましょう。ユーザー生成コンテンツ(UGC)を促したり、顧客の声を製品開発に取り入れたりすることで、「ブランドは自分たちの声を聞いてくれている」という親近感と信頼感を生みます。
  • 透明性と一貫性のある発信
    社会との信頼関係を築くには、透明性も重要です。商品づくりの背景やサプライチェーンの情報、失敗したときの真摯な対応など、開かれた情報開示によってブランドへの信頼を高めることができます。また、企業としてのメッセージが一貫していること(ブレないこと)も、「言行一致」の姿勢として評価されます。

このように、ブランドが社会と良好な関係を築くためには、単に利益追求にとどまらず、社会的な価値創出を念頭に置いたブランド戦略を展開する必要があります。ブランドの思想が社会の共感を呼び、戦略的な活動と表現を通じてそれが広く共有されれば、ブランドは社会に欠かせない存在として長期的な支持を得るでしょう。

具体的な国内ブランド事例

では、実際に日本企業のブランド戦略における成功例と失敗例を見てみましょう。過去の記事で取り上げていない新たな事例から、ブランドの「思想 × 戦略 × 表現」がどのように機能したか、あるいは機能しなかったかを考察します。

CASE
成功事例①:任天堂 – 家族向けエンターテインメントの理念と革新

任天堂は「すべての人を笑顔にする」という理念のもと、家庭向けエンターテインメントに徹した戦略で世界中にファンを持つブランドです。その思想(理念)は「ゲームを通じて家族や友人と楽しさを共有すること」であり、一貫してファミリー層にアピールする戦略を取ってきました。例えば、体感型ゲーム機「Wii」や携帯・据置ハイブリッドの「Nintendo Switch」など、戦略的な商品開発によって革新的なゲーム体験を提供し続けています。また、マリオやポケモンといった強力なキャラクター(表現要素)を活用し、ブランドの世界観を世代を超えて浸透させました。思想(家族の笑顔)と戦略(革新技術&ユーザー体験)と表現(キャラクターIP展開)が見事に調和した任天堂は、長年にわたり業界トップクラスのブランド価値を維持しています。

CASE
成功事例②:キリンビール – 地域密着と品質で愛される老舗ブランド

キリンビールは、日本各地の嗜好に合わせた「地域密着型」のブランド戦略で成功している事例です。その思想には、ビール文化を通じて地域ごとの絆を深める狙いがあり、戦略的に各地域限定の商品やキャンペーンを展開してきました。各地の特産品を活かした地ビールシリーズを投入するなど、地域ごとに異なるマーケティングを行い、地元消費者の共感とロイヤリティを獲得しています。同時に、130年以上の醸造の歴史に裏付けられた品質の高さと伝統を強調する表現によって、「信頼できるビール」というブランドイメージを築いてきました。グローバル展開しつつもローカル志向を失わないキリンの戦略は、各地で愛されるブランドを作り上げています。

CASE
失敗事例①:東芝 – 不祥事で崩れた長年の信頼

東芝はかつて日本を代表するエレクトロニクスブランドとして高い信頼を得ていましたが、2015年に発覚した不正会計問題をはじめとする一連の不祥事によりブランドイメージが大きく失墜しました。長年培ってきた「技術の東芝」「信頼の東芝」という思想・評判が、経営陣の不正という戦略上の重大な失敗によって揺らぎ、一瞬で顧客や社会からの信用を失ったのです。このケースは、どんなに強固なブランドでも企業倫理の欠如が表面化すれば一夜にしてブランド価値がゼロに等しくなることを示しています。東芝はその後経営改革とブランド再生に努めていますが、失った信頼を取り戻す難しさが浮き彫りになりました。

CASE
失敗事例②:シャープ – 焦点なきブランド展開で迷走

シャープは液晶テレビや電子辞書など数々のヒット商品を生み出した電機メーカーですが、2000年代後半以降、事業領域を拡大しすぎた結果ブランドの焦点が定まらなくなりました。スマートフォン事業への参入や多角化戦略は明確な思想・コアバリューに基づいていないように見え、消費者から見て「シャープは何のブランドか」が曖昧になってしまいました。加えて経営不振により鴻海精密工業の傘下に入るなど、ブランドの主体性も揺らいでしまいました。

シャープの例では、明確なブランド戦略とメッセージの一貫性が欠如すると、かつての「目の付けどころがシャープ」という印象も霞み、顧客の心は離れていくことが示されています。ブランドの焦点がぼやけると社内的にも方向性を見失いがちになり、結果として表現も統一感を欠いてさらなるブランド力低下を招く悪循環に陥りました。

これらの事例から、成功企業は自社の核となる思想をブレずに持ち、それを戦略と表現で効果的に具現化しているのに対し、失敗例では理念の欠如や不一致、戦略ミス、一貫性のなさが共通していることがわかります。

ブランドアーキタイプ、ナラティブ・ブランディングなどのフレームワーク活用

効果的なブランド戦略を立案・実行するには、外部の理論やフレームワークを活用して自社のブランドを客観視することも有益です。その中でもブランドアーキタイプやナラティブ・ブランディング(ストーリーブランディング)は、ブランドの「思想 × 戦略 × 表現」を整理し強化するのに役立つ代表的な手法です。

  • ブランドアーキタイプの活用: ブランドアーキタイプとは、心理学者ユングの提唱した12の元型(ヒーロー、アウトロー、天真爛漫、賢者など)になぞらえてブランドの人格を定義するフレームワークです。自社ブランドを人に例えることで、その性格や価値観を明文化しやすくなり、社内外で共有する際のブレが減ります。「我が社のブランドは『英雄(Hero)』タイプで、お客様を勇気づけ鼓舞する存在だ」という具合に定義できれば、理念から広告表現まで一貫したトーンを作りやすくなるでしょう。ブランドアーキタイプは、抽象的なブランドの特徴を客観的な“型”に当てはめることで議論をしやすくし、ブランドが消費者にとってどんな意味を持つ存在かを明確化する助けとなります。たとえばスポーツ用品ブランドが「英雄型」を採用すれば「困難に打ち克つストーリー」を打ち出せますし、化粧品ブランドが「魔法使い型(Magician)」を採用すれば「変身を叶える不思議な体験」という表現軸が見えてきます。こうした人格イメージの明確化により、思想(ブランドの価値観)と表現(言葉遣いやビジュアル)の整合性が高まり、顧客に伝わりやすいブランドパーソナリティを構築できます。
  • ナラティブ・ブランディング(ストーリーブランディング)の活用: ナラティブとは「物語」のことであり、ブランドを物語で語るアプローチは、単なる機能説明を超えてブランドの本質や価値観を伝える強力な手段です。ストーリーブランディングでは、ブランドの歴史、創業者の想い、商品開発のドラマ、お客様の体験談などを一貫した物語として紡ぎます。これにより顧客はブランドに感情移入し、自分もその物語の一部になったように感じられるため、深いエンゲージメントが生まれます。実際、先述のオムロンの例では創業者のストーリーをグローバルに発信するキャンペーンによって共感を呼び起こし、海外でのブランド認知向上に成功しました。また、ナラティブな手法は社内のインナーブランディングにも有効です。社員が自社のストーリーを誇りに思い共有できれば、企業ブランディング全体の底上げにつながります。重要なのは、物語の核となるメッセージを明確に定義し、それを一貫して伝え続けることです。そうすることで、顧客はブランドを単なる商品ではなく、一つの信念や世界観として捉えるようになります。

これらのフレームワークを活用することで、「企業が何を考え(思想)、どう伝え(戦略)、どんな価値を生むのか(表現)」を整理・可視化しやすくなります。ブランドアーキタイプでブランドの人格を言語化し、ナラティブ・ブランディングで伝えるべき物語を構築することで、ブランド戦略の骨格がより鮮明になるでしょう。さらに、こうした手法はブランド戦略やマーケティング施策を立案する際のチーム内の共通言語にもなり得ます。一度確立したブランドのアーキタイプやストーリーは、商品開発から広告制作に至るまで指針となり、ぶれないブランド体験を作り上げる支えとなるのです。

ブランドのこだわりをストーリー化し、体験として届ける方法

強いブランドは、自社の「こだわり」や価値観を単なるメッセージで終わらせず、顧客に体験として届けています。ブランドのストーリーを消費者が直接感じ取れるように工夫することで、記憶に残る深いエンゲージメントを生み出すことができます。以下に、その具体的なアプローチを紹介します。

  • フラッグシップ店舗・施設で世界観を体験させる: ブランドの世界観を空間としてデザインし、顧客が没入できる場を提供する方法です。例えば、無印良品は東京・銀座に「MUJI HOTEL GINZA」を開業し、ホテルの客室やアメニティ、家具・家電のすべてを自社製品で統一しました。宿泊者は無印良品のシンプルで機能的な世界観を五感で味わうことができ、気に入った商品があれば隣接の無印良品店舗ですぐに購入することもできます。このようにストーリーテリングされた空間でブランドを体験してもらうことで、「暮らしを豊かにする良品」という同社の思想を強烈に印象付けています。スターバックスもまた「第三の場所」というブランドコンセプトを店舗設計に落とし込み、店舗ごとに地域の文化や物語性を取り入れた空間演出を行っています。高級路線の「スターバックス リザーブ® ロースタリー東京」のように焙煎工場を併設しコーヒーの物語を体験できる旗艦店も、その好例でしょう。
  • プロダクトやサービスに物語性を持たせる: 商品そのものや購入プロセスにストーリーを感じさせることも有効です。例えば、高級自動車ブランドのLexus(レクサス)は単に車を販売するだけでなく、オーナー向けにラウンジ(INTERSECT BY LEXUS)を提供し、車のデザイン哲学やライフスタイルを体験できる場を作っています。そこではクラフトマンシップ(職人技)やおもてなし精神といったレクサスのこだわりを感じるエピソードが随所に織り込まれており、来訪者はブランドの価値を肌で感じ取ることができます。また、小売業でも商品にまつわる背景ストーリーを積極的に発信する例があります。ある食品ブランドが「○○さんが丹精込めて育てた有機野菜」を使った商品であることをパッケージやPOPで伝えれば、そのブランドは単なる加工食品以上の物語を提供していることになります。消費者は商品を手に取るたびに生産者の顔や地域の風景を思い浮かべ、ブランドへの愛着が深まるでしょう。
  • 顧客参加型の体験作り: ブランドのストーリーを体験として届ける極めつけは、顧客自身がその物語の登場人物になれる仕掛けです。ワークショップ形式のイベントやオンライン上でのキャンペーンを通じて、消費者がブランドの世界に参加できる場を提供します。例えば、アウトドア用品ブランドが「ユーザーと作る新商品開発プロジェクト」を展開すれば、ブランドのこだわり(品質追求やユーザー視点)を共有しつつ、参加者自身が物語を体験・創造できます。こうしたエンゲージメントは単なる一方通行の体験を超え、共創の思い出としてブランドに対する強いロイヤリティにつながります。

ブランドのこだわりをストーリー化し体験に昇華させるためには、一貫したテーマ設定と細部への配慮が不可欠です。顧客が触れるあらゆる接点で「そのブランドならでは」の物語を感じられるようにすることで、ブランドは単なる商品・サービスの提供者から、体験を提供する物語の語り手へと昇華します。そしてそのようなブランドは、顧客の記憶と心に長く留まり、競合には真似できない価値を築くことができるのです。

長期的に選ばれるブランドになるためのポイント

最後に、長期にわたって顧客から選ばれ続けるブランドでいるための重要なポイントをまとめます。

  1. コアバリュー(ブランドの核)の明確化と堅持
    自社のブランドの核となる価値観や使命を明確に定義し、それを一貫して守り抜くことが最も重要です。どんな時代の変化があっても、「我々は何者で、何のために存在するのか」という問いに対する答えがブレなければ、ブランドの軸はぶれません。明確なコアバリューは社内の意思決定基準ともなり、ブランド戦略のあらゆる局面で道標となります。
  2. 顧客との信頼関係の構築と維持
    品質、サービス、アフターケアなど、提供価値に対して誠実であり続けることで、顧客の信頼を得られます。一度築いた信頼はブランドの何よりの財産であり、裏切らないことが肝要です。万一トラブルが発生した際も迅速かつ真摯に対応し、透明性を持って情報を開示することで、「信頼に足るブランド」という評価を守りましょう。
  3. 一貫したブランドメッセージと体験
    ブランドの発信内容(メッセージ)や顧客体験はチャネルや時期によって矛盾がないよう統一する必要があります。広告、SNS、店舗接客、アフターサービスに至るまで、どの接点でもブランドの人格と言動が統一されていれば、顧客の中に確固としたブランドイメージが醸成されます。逆に矛盾したメッセージやぶれた対応は信頼低下を招くので注意しましょう。
  4. 共感を生むストーリーとコミュニティの重視
    機能価値だけでなく感情価値を提供できるブランドは強いです。ブランドのストーリーを伝え、顧客が共感できる場を作ることで、ファンを育てることができます。熱心なファンは自発的に口コミでブランドを広めてくれるため、新規顧客の獲得にも寄与します。ブランドコミュニティやファンクラブ的な施策を通じて、顧客とブランドが長期的な関係性を築けるよう努めましょう。
  5. 変化への適応とブランドの進化
    長く選ばれるブランドは、時代の変化に適応しながらも核心を見失いません。市場トレンドや顧客ニーズの変化を敏感に察知し、商品やサービスをアップデートし続けることが大切です。ただし闇雲な多角化でブランドの軸がぶれるのは避けるべきです(シャープの失敗が示すように)。むしろブランドの理念に照らして「進むべき方向の変化」かどうかを見極め、芯を保ちつつ柔軟に進化することで、常に時代とのRelevant(関連性)を保ち続けることができます。

以上のポイントを踏まえ、自社のブランド活動を継続的に見直し改善していくことで、長期的に愛され選ばれるブランドへと成長していけるでしょう。強いブランドは一日にして成らずですが、思想・戦略・表現を軸に粘り強く磨きをかけることで、やがて競合に模倣できない独自のポジションと揺るぎないファンベースを築くことができるのです。

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この記事を書いた人

ヨコタナオヤのアバター ヨコタナオヤ Creative Producer / Strategic Designer

1990年生まれ、大阪府交野市出身。東京・文京区在住。元植木屋。
「戦略 × デザイン」 の視点を活かし、多様な業界の新規事業開発・ブランディング・マーケティング・プロダクト開発に携わる。ブランドのアイデンティティ構築や戦略設計、特別化を軸にした事業成長の仕組みづくりを得意とする。
スタートアップから大手企業まで、事業戦略の策定から実装支援まで一貫して伴走し、ブランドストーリーの構築、プロダクト開発、デジタルマーケティング戦略を手掛け、持続可能な成長をサポート。
また、合同会社コラレイトデザインの代表としてビジュアルデザイン・Web制作・マーケティング支援を行うほか、一般社団法人社会構想デザイン機構では、社会課題にフォーカスしたクリエイティブアプローチにも積極的に取り組む。

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